
ありのままの自分で人とつながり、
社会の中で自分らしく生きる
上谷 実礼
支援職のセルフケアサポーター
LMT合同会社代表
医学博士|産業医|公認心理師|研修講師|労働衛生コンサルタント
プロフィール
2000年に千葉大医学部医学科を卒業し、その後、大学附属病院や民間病院などで研修医として呼吸器中心に内科や外科のトレーニングを積みました。生活習慣病や脳血管疾患、心疾患など、命に関わるような病気の患者さんをみていく中で、“病気”という結果に対する対症療法のみを行うことに、徐々に違和感を覚えるようになりました。
また生活習慣病の患者が多いことを目の当たりにし、予防医学の大切さを痛感し始めます。生活習慣病を引き起こしたり、悪化させたりする大きな要因はストレスです。そして、ストレスに対処するための行動(コーピング)として、たとえば過度の飲酒や喫煙など、一見、不適切に見える行動を選択しているのであって、人は皆、ストレスに対処しながら日々を懸命に生きているのです。

ストレスの大元には根深い自己否定があります。
言いたいことややりたいことをガマンし、自分の感情や感覚、本音を抑圧して「本当の自分を生きていないこと」が、私たちにとっての一番のストレスです。
だからこそ人生に病やトラブルが起こる時は「今までの生き方は不自然だよ」「本当の自分を生きなさい」という人生からのメッセージなのです。
このように考えると、医師として表面的な治療をすることは、かえって患者さんが自分の人生に向き合う機会を奪っているのではないかと罪悪感を感じたり、「こんなことをしている場合じゃない!」と、居ても立ってもいられないような思いに駆られたりするようになりました。
当時、私も医師としての役割だけを生きているような苦しさを感じながら、週に3回の当直をこなすなど、とにかく多忙でした。目の前のことをこなすことに精一杯の毎日の中、ある日、ついに燃え尽きてしまい、仕事に行けなくなりました。
実は私自身もまた「自分の人生を生きていない」「もうこれ以上自分に嘘がつけない」状態であることを、体が教えてくれたのでした。

アドラー心理学との運命的な出会い
そうして私は臨床から離れる決断をし、母校である千葉大学大学院医学研究院社会医学系研究室に戻り、働く世代の健康をテーマに社会医学の研究と教育に携わり始めます。またそこでめぐり会った産業医という仕事のおもしろさに魅了されていきます。
研究室在籍中の2007年、大学の図書館でアドラー心理学と運命的に出会い、その当時の日本ではまだあまり知られなかったアドラー心理学に衝撃を受けました。「自分の人生は自分で決められる」「人生が複雑なのではなく、自分が人生を複雑にしているのだ。人生はいたってシンプルなものだ」というアドラー心理学の思想に自分自身の人生が勇気づけられ、本当の意味で「自分を生きる」ことを決意しました。
当初は自分自身の幸せのためにアドラー心理学を学んでいましたが、アドラー心理学を学び、実践することは心の養生になると確信し、産業保健活動での知見を活かしてアドラー心理学講師として活動するようになります。
こうして大学教員を7年続けたのち、産業医として独立・起業しました。産業医としての起業は当時珍しく、画期的だったと思います。
面談技法や保健指導にもアドラー心理学を取り入れた独自の産業保健サービスは評判を呼び、口コミだけで受付枠が埋まるようになりました。
ついに2017年には現場での実践を元に伝えてきていた「アドラー流“勇気づけ”保健指導」を出版。アドラー心理学に基づいた唯一の保健指導のテキストとして、保健指導実施者だけでなく、面談技法を学びたい多くの人に評判となりました。
その後、「ミレイ先生シリーズ」としてシリーズ化された著書は4冊に及びます。

LMTスクール開講
そして2020年に自己受容と自己理解のための学びの場「LMTスクール(旧・自分とつながるスクール)」を開講しました。
臨床医時代に感じた「自己否定が病や人生のトラブルを生む」「自分の感情や感覚を抑圧することがストレスの大きな要因となる」という問題意識から、人が自分のありのままの感情や感覚を取り戻し、「本当の自分を生きること」をサポートすることを医師としての天命使命と感じでいます。働く世代が幸せを感じられるように、自分を大切にして自分らしく生きられるようにサポートすることは日本社会への貢献にもつながると考え、「ありのままの自分で人とつながり、社会の中で自分らしく生きる」をテーマに様々な活動を行っています。
「本当の自分を生きる」とは、大げさなことではなく、「今ここ」の瞬間瞬間の自分の感情、感覚に気づき、自分のことばで表現できるようになること、ありのままの自分で自分も人も大切にできる自然体のコミュニケーションをしていけるようになること、社会の中にありながらリラックスした自分のままで人とつながっていけるようになること、です。
現在は産業医・公認心理師としての経験、自分自身の人生に向き合ってきた経験、アドラー心理学に加えてゲシュタルト療法などその他の心理学・心理療法、そして脳神経科学の知見を活かし、人々がありのままの自分を生きて、自分のままにつながりの中で生きていける世界をつくりたいという思いのもと、「本当の自分を生きる」ための講座やワークショップ、心理カウンセリングなどの活動を行っています。

あなたには生まれ持った生きる力がある
私自身はクライアントの背中を押すことは、基本的にしません。それはその方が生まれ持った生きる力があると、信じているから。
セラピストによって、「人が癒されること」をどのようにとらえるのか、またどのような方向性でクライアント支援をするのかについては、さまざまな考え方やスタンスがあります。
私はセラピストとして、コンサバティブでリアリストだと思います。
「自分らしく生きる!」「本当の自分を生きる!」と軽い躁状態のように威勢よく勢いで、例えば会社を辞めてセラピストや講師として独立起業するとか、いきなり離婚するなどに後押しするのではなく、人間はあくまでも社会的な生き物として、現実にグラウンディングして、現実の社会に戻れるように支援したいと考えています。
だからといって、ある意味では病んでいるといえる現実社会や会社に適合できるように矯正することが治癒だとはとても思えません。
社会の中にありながら、社会の常識や価値観を鵜呑みにするのではなく、自分自身が瞬間瞬間に考えていることや感じていること、認知していることに自在に気づきを向けられ、社会に翻弄されるのではなく、混沌とした社会の中で、揺らぎながらもしっかりと自分なりのあり方ができるような、まさに「世界の中にありながら世界に属さない」でいられるようになるために、存在の力をはぐくんでいく。
上谷実礼は、そんな方向性の支援を行っています。
経歴
- 1976年
誕生
- 2000年
千葉大学医学部付属医学科卒業
医師免許取得、千葉大学医学部付属病院などで臨床研修
- 2004年
千葉大学大学院医学研究院社会医学系研究室
助手・助教・講師、産業医の実務に従事、博士号取得
- 2007年
アドラー心理学と出会う
- 2011年
ヒューマンハピネス(株)設立、代表取締役就任
産業保健サービスを提供
労働衛生コンサルタント国家試験合格 - 2016年
ブログ「自分らしく生きるレッスン」(現・自分を生きるレッスン)をスタート
- 2017年
- 2019年
- 2020年
- 2021年
- 2022年
自分のことに取り組む
- 2023年
LMTスクールリニューアル
女性限定だったLMTスクールを性別問わず参加可能にし、プログラムも新たに再スタート
- 2025年
LMT合同会社設立
産業医・講演・研修・執筆・ワークショップ主宰・LMTスクール主宰・LMTレッスン主宰・LMTセッションなど
上谷実礼に会える3つのプログラム
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