人間関係がうまくいかず、まわりから孤立してしまうことに悩んでいたるみちゃん。
なんでみんなは私のことをわかってくれないの?
そう思っていたけれど、こころの学びを通して気づいたことがあると言います。
自分で自分のことをわかってあげてなかったから、苦しかったんだ。
人とつながるには、まずは自分とつながることが大事。
それに気づくまでのあれこれを、語ってもらいました。
自分で自分をわかってあげたら、人間関係の悩みも軽くなった
るみちゃん(主婦、スクール2期生)
まわりの人と比較して、「どうせ私なんか」と思っていた
――まず、自分とつながるスクール(現・LMTスクール)に入ったきっかけを聞かせてください。

スクールに入る前から、かとちゃん(心理カウンセラーの加藤隆行さん)のセッションを1年半ほど受けていました。ミレイ先生のことは、かとちゃんとYouTubeで対談されていたのを見て知りました。
ミレイ先生のメルマガを読むようになって、お二人の話されることにはいろいろ共通点があるなと思っていたところ、ミレイ先生のスクールが始まることを知ったんです。オープンスクールで先生の話を聞いて、「自分とつながる、ってどういうことか知りたい」と思い、迷わず参加を決めました。
――当時、すでにかとちゃんのセッションを受けていたんですね。何か悩みがあったのですか。

アトピー体質の改善のために整体を習っていたんですが、そこでの人間関係がうまくいっていませんでした。研修で一緒だった仲間は、私以外はみんな経験者だったので、自分だけできていない感覚が強くあったんです。先生も「人に負けるな」と生徒同士の競争をあおるところがあって、一緒に学ぶ仲間というより、ダメ出しし合う感じがありました。
私も、「どうせ私なんか」という雰囲気を出していたんでしょうね。仲間からは「そんな卑屈な考え方はやめたほうがいいですよ」と言われたりして、居心地が悪くなって、行くのが嫌になりました。
そのころです。かとちゃんのセッションを受け始め、そのあとのミレイ先生との出会いにつながっていきました。
――スクールに入って、何か変化はありましたか。

はい。「えー?そういうことか!」と自分のことがわかり始めたのが大きいです。
――「そういうことか!」というのは?

自分がやりたくて習い事を始めているのに、人間関係がうまくいかなくなって、途中で投げ出したくなる。いつものパターンを繰り返していたことに気づいたんです。同じことが何度も続いていたので、さすがに自分に原因があるんじゃないかと思い始めました。
なぜ私は認めてもらえないの?
――いつものパターンというのは、どんなことが起きていたのですか。

「まわりの人に負けちゃいけない」「勝たなきゃいけない」という気持ちがすごく強かったんです。でも、自分に自信がないから、すごく緊張した状態で頑張らなきゃいけない。だから、つねに戦闘モードです。まわりの人ともつながれない。それでだんだん孤立していく――、というのがいつものパターンでした。
――そうだったんですね。自分のパターンには、なかなか気づきにくいですよね。

そのときは全然わかりませんでした。なんでこうなってしまうんだろう。なぜあの人は認められて、私は認められないのか。それがわからなくて、苦しかったです。

るみちゃんが「人から認められない」と感じていたのは、どういうところなんですか?

褒めてもらえない……、かな。他の人は褒めてもらえているのに。
それと、自分が理想とするようにできていない。「自分ができてないから、褒めてもらえないんだ」という感覚がありました。

つまり、人から褒めてもらうと、「認めてもらっているなぁ」という感覚が持てたのかな。

そうだと思います。子どもの頃から、これこれしたら褒めてもらえる、褒められたいからがんばる。「できてるよ」と言ってもらえることを、いつも求めていたような気がします。

そうなんだね。
「いい」も「悪い」もない。だから
安心して居られる

ただ、スクールではあまり「褒める」ことはしてないと思うんです。褒めないし、ダメだとも言わない。「いい」も「悪い」も私は言ってないと思うんですよね。

たしかに、いいも悪いもなかったですね。

あの場では認めてもらっている感じはしなかった?

そうですね、認めてもらっている気がしていました(笑)。
あれ? 褒められてないのに、なんでだろう? 「そこに居ていいよ」という感覚はたしかにありました。その意味では、認めてもらっていましたね。

さっき話してくれた整体のときのように、褒められもせず、ダメ出しばかりされていたら、「自分はダメなんだな」と感じて、居場所がない気がするよね、きっと。

そうか……、私は「ここに居ていいのかな」という不安をずっと抱いていたんだ。「ここに居ていいよ」と言ってほしかった。そういうことなんですね。いま気づきました。
まずは、自分が自分のことをわかってあげる

るみちゃんの話を聞いていると、人から認めてもらえないというよりも、るみちゃんが自分のことを認めてなかったのかな。

そうです。それもスクールで学んで気づいたことです。自分で自分のことをわかってあげてなかったんだなって。
――それはどういうことですか?

私、まわりに「いい人」と思われたい気持ちが強かったんです。子どもの頃から、いい子でいないと家族に所属できなくなる、という怖れがありました。だから、すごくきれいな包装紙やリボンで自分を飾って、「いい人」の仮面を被らないと、人と一緒に居られなかったんです。
そうかと思えば、かわいそうな自分を演じていたこともあります。「私、こんなにかわいそうなの、わかってよ」という空気をすごく出していました。
――自分のことをわかってほしいけど、その表現方法がわからないんですよね。だから変なアピールしちゃう(笑)。私にも身に覚えがあるから共感します。

そうなの。それで、相手が同情してくれると、「どうせあなたにはわからないでしょ」とひねくれる。そんな嫌~な人だったんです(笑)。なんで自分はこうなんだろう。個人セッションを通して自分に向き合っていくと、今の自分に影響を与えているであろう幼児期の体験がいろいろと見えてきました。
そうか、私はこれが苦しかったんだ。ほんとうは、「愛してほしい」と心の底から叫んでいたんだ。
それに気づくたびに涙が出て、これまでひねくれることでしか自分を表現できなかった自分を、少しずつ許すことができました。自分の気持ちも、少しずつ軽くなっていく感覚がありました。
――愛してほしかった。そのことに気づいたんですね。

そう、自分をわかってあげる。「私のことをわかって」と誰かに求めるのではなくて、「自分で自分のことをわかってあげようよ」。そう思えるところまでようやくたどり着きました。
「現実は自分が作っている」は、ほんとうだった

自分が見ている現実は、自分のこころが映し出されている。これも私にとってはすごく大きな気づきでした。
――具体的にどんな気づきがあったのか、教えてください。

整体の研修に通っていたとき、「先生は私のことをすごく雑に扱っているなぁ」と感じていました。「なぜ私には丁寧に話してくれないんだろう」とずっとモヤモヤしていたのですが、スクールの学びを通して気づいたんです。
「もっと私のことを大切にしてほしい」「私への気遣いや配慮が足りない」と私が思っていたからなんだな。「これが足りない」と自分で思っているものが、目の前の世界に投影されていたんだな、って。

それが腹に落ちたんだね。「現実は自分が作っている」とか、いろんな本に書かれていたりするけど、頭で理解するのと、体で理解するのとは違うよね。

全然違います! 本でそれを読んだときは、「いやいや、そんなわけない」と思っていました。でも、自分に見えている世界は自分の中にあるものだ、とわかったときは、「えーー?ほんとうにそうなの?」と腰が抜けるほど驚きました。
――腰が抜けるほど(笑)。

そう(笑)。だけど、それがわかって、ほっとしたんです。そうか、足りない感覚が自分の中にあるんだ。それを認めてあげられたら、苦しかったけど、楽になりました。

るみちゃんの話を聞いていると、自分で自分を認めてあげるとか、自分で自分を受け止めてあげる、というのが大事なんだなって、私もすごく学んでいます。
あんなに悩んでいた人間関係にも変化が
――自分や世界に対する見方が変わって、まわりとの人間関係も変化してきたのでは?

はい、変化していますね。実は例の整体の先生、腕は確かなので、再び通っているんです。不思議なことに、自分の見方が変わったら、先生との関係も変わってきました。
以前は、「お前は何もできない」と上から押さえつけてくる感じだったのに、最近は、先生自身が私に心を開き始めたのがわかります。あれ?こんな人だったっけ?と驚きました。
――いったい何があったんでしょうか。

先生は大変な苦労をされてきた方のようなんです。それで私の中に、「先生もつらかっただろうな」という気持ちが湧いてきました。それが自然に表れたのかな、プライドの高い先生が自分の心の内を話すようになったんです。こちらが戦闘モードを解いたら、相手も解けた。そんな不思議な感覚がありました。
そのとき、気づいたんです。あ、そうか。自分が相手を裁いて見ていたから、相手と敵対しているように感じていたんだ、って。

それはやっぱり、るみちゃんが自分のネガティブな部分もわかってあげられるようになったからですね。

あ、そういうことなんですね。自分のことをわかってあげられたから、相手のことも受け入れられる。

自己受容、自己理解する以上に、他者受容、他者理解はできません。リンゴを食べたことがない人は、他の人にリンゴについて説明することはできないよね。それと同じように、自分のネガティブな感情に触れたことがない人が、他の人のネガティブな部分に触れていくことは難しいでしょう。
仲間と一緒に学ぶから、自分のことがわかる

スクールでエニアグラムのことを学んだのも、自己理解に役立ちました。ほんとうはそういう自分だったんだな、と自分の気質や性質がわかりました。
――そういう自分って、どういう自分を見つけたのですか。

私、ほんとうは、平和でいたいタイプなんです。戦いたくない。なのに「負けるな!戦え!」とまわりに押し付けられていただけだとわかったら、本来の気質のままに生きていきたいと思いました。
――これまで気質とは真逆のことをやってきたんですね。その他に、スクールに入ってよかったと思うことはありますか?

スクールには仲間がいるので、いろんな方のお話が聞けたことはよかったですね。自分の悩みと共通するところもあって、自分だけが苦しい思いをしたり、悩んでいるわけじゃないとわかっただけでも、ありがたい経験でした。

仲間と一緒に学ぶことは大切ですよね。私自身は長い間ずっと一人でやってきて、行き詰った経験があるから、それはとても強く思います。以前の私は、「グループで学ぶなんてとんでもない!」「みんなが気づかないうちにいつの間にか自己受容できて、ガラッと別人のように変わったカッコいいミレイちゃんになれたらいいな」と思っていた。でも、無理でした(笑)。
人は自分ひとりでは、自分が感じていることってわからないんだよね。特に子どもは、お母さんに「転んで痛かったね」とか、「泣きたいんだね」と言ってもらってはじめて、自分は痛いんだ、泣いていいんだ、ということがわかる。
結局、他者の存在があってはじめて、人は人になっていくんです。だから、みんなで学ぶことは大事だし、本からだけでは絶対に学べない。
――私もそう思います。また、どんな人から学ぶかも大事ですよね。

ほんとにそう。世の中に講師やカウンセラーと呼ばれる人はたくさんいるけれど、どんな立場になっても、上下関係を作らず、対等に付き合える仲間のいる人じゃないと、私は信頼できないと思っています。私自身、講師という仕事をしていても、講師然とせずに、ありのままの自分で付き合っていける仲間がいる自分でいたいし、そういう人たちから学び続けたい。今も学び続けています。
――スクールでは、ミレイちゃんが自分自身でいて、スクール生の私たちと対等に付き合ってくれています。それも、この場が居心地のよい場になっている大きな理由だと思います。るみちゃん、ミレイちゃん、今日はありがとうございました。
(インタビュー・文 前田はるみ)